初心とは

休みだったのでAmazon電子書籍ブラックジャックによろしくを読んでました。

 

僕はその辺にいるぺーぺーの看護師です。

 

漫画を読みながらなんで看護師目指したのかを考えてました。

幼い頃から病気がちで、幼稚園も合計すると半年休んでたくらいでした。よく色んな病院に連れていかれては泣き叫んでた記憶があります。白衣を見ただけで泣くくらい病院が嫌いでした。

しかし、ある日。母が癌になりました。子どもは色々と病気を持ち込むので勿論癌と戦っている患者さんがいる病棟には入れません。病棟の入り口で父が「待っとけよ。すぐ戻るから。」と言い、足早に病棟に行こうとしたのを泣きながら何故母に会えないのかわからないのでひたすら泣いていました。

母は勿論病室でその泣き声を聞いていたそうです。

でも、待つのが当たり前になり、泣かなくなりました。病棟の入り口で大人しく待ってました。

そんなときは勿論退屈でキョロキョロとしてました。看護師さんはいつも小走りで忙しそうでした。だれも入り口で待ってる僕に話しかけたりなんかしません。

なんか、看護師さんて冷たいなーと子ども心に思いました。母に会えない寂しさ、代わりに祖母が面倒を見てくれていましたが、あの時の寂しさは忘れられません。祖父も亡くなったばかりだったので、あの当時は祖母も大変だったと思います。

 

でもある日のことでした。

椅子に座っていつも通り父を待ってると、ある看護師さんが話しかけてくれました。

「いつも待ってて偉いね。お母さん元気だからね。クリスマスは面会できるからね。」と。

クリスマス当日。父は知り合いのケーキ屋さんに今年はホールケーキは無理だから、ショートケーキをクリスマス仕様にしてくれ!と頼み、小さなショートケーキにサンタに星のクッキーにと色々してくれました。

ホントに短時間の面会でしたが、あの時の看護師さんの優しい声と表情は忘れられません。

多分…僕の原点はここなのかな。

 

ちなみに母は元気です。

あと当時、父が家事もやっていたのですが…。大好物のハヤシライスが不味くて不味くて。しかし父は「うまいか!?」と嬉しそうに聞いてくるので「うん!美味しい!!」と初めて嘘をつきました。

母が退院した際に、ハヤシライスの話をしたら爆笑して、退院したその日はハヤシライスでした。もちろんおかわりしてたそうです。

 

看護師になるためには何が必要か。勉強もしましたがそれ以上に得たものもあります。

 

ナイチンゲールは皆さんご存じかと思います。昔は戴帽式といってそこで誓いをたてるのですが、僕は戴帽式ではなく宣誓式でした。

そこでいったのが、このろうそくの様な優しい暖かさを持った看護師になりたい!と言ったのを覚えてます。

 

たまには初心に戻って仕事しないとなと思った1日でした。
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